『IKEA効果』の効果とはッ!

お題「自由研究」

 

8月ももうすぐ終わり。今時分、小学生たちは自由研究どうしようって頭を悩ませているそんな頃なのではないだろうか。

今日のお題は「自由研究」

 

そこで、IKEA効果(イケア効果)について研究、発表します。

 

f:id:PARM:20160825215051j:plain

https://www.brandwatch.com/2014/12/ikea-assembling-a-listening-hub/

IKEA効果という言葉、知っていますか?

 

IKEA効果とは?

 

  

これは過去の私のツイートであるが、実はこれをここに引用したのもIKEA効果なわけで。それはおいおい理解していただけるであろうことを期待して説明を続けます。

 

まず、IKEAとは、あのスウェーデンの家具量販店、IKEAである。

イケア・ジャパン 株式会社 - IKEA

 

そして、私がIKEA効果という言葉を最初に耳にしたのはダン・アリエリー教授のEテレ「白熱教室」でした。今回はその放送回を少し思い出しつつアレンジを加え紹介したいと思います。

 

f:id:PARM:20160826013327j:plain

http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/behavior/index.html

 

IKEAで家具を購入した事がある人ならわかると思うのですが、IKEAの家具はそのほとんどが、組み立て式になっています、購入する家具が決まったら、大きな倉庫から組み立て式の家具をもらってきて、自分で持って帰り、自分で組み立てるというのが基本です。(もちろん、配送、組み立てサービスも行われているようです)

 

f:id:PARM:20160826020020j:plain

▲イメージ

http://www.toyomaruku.co.jp/run_manual/run_manual001.html

 

私もテレビ台を購入し組み立てた経験があるのですが、それはそれは大変な作業。組み立ての説明書がわかりづらい。組み合わせる板の向きが違っていたりしてやり直したり、ネジで止めてもなんか歪んでいたり。同じような経験をされた方もおられると思います。

しかし、出来上がってみてどうでしょう。苦労すればするほど愛着が沸いてきたのではないでしょうか。達成感も得られます。他人が組み立てたテレビ台と、自分が組み立てたテレビ台、あなたにとってそれは同じ価値でしょうか。

 

さらにこんな質問はどうでしょう。あなたが組み立てたばかりのテレビ台を売って欲しいという人が現れました。いくらなら売りますか?たとえば、三万円で購入したテレビ台だとします。三万五千円でしょうか、四万円でしょうか。

 

一方、他人が組み立てたばかりの同じ型番のテレビ台があるとします。テレビ台が欲しいと思っているあなたなら、その人からいくらなら購入しますか?先ほどあなたが売ってもいいと思った価格と同じでしょうか?(同じだという人がいてもべつに否定しませんけど)

 

自分が苦労して組み立てたテレビ台と、他人が組み立てたテレビ台の価値は同じでしょうか。

 

自分の苦労した思いや愛着があり、自分にとって価値があると思っているものに対しては、他人にとっても同様に価値が高いと感じてしまう、もっと言うと錯覚してしまう心理現象をIKEA効果と呼ぶのです。

 

最も共感できる例の一つとして、経験された事が多いと思われるのが、

古本屋に数冊、数十冊の本を売りに行った時に、買取価格を聞いて、え…それだけの価値しか無いの?と感じるあの失望感が上げられます。

 

自分にとっては思い出の詰まった本、役に立った本であっても、他人からしたら何の思い出もない価値もないただの一冊の本なわけです。私たちはそういう情け容赦のない経験を通じて、そんなものだと思えるようになってきます。

かつて熱中して集めていたトレカを売りに行った時、古着屋に服を売りに行った時、買取価格を聞いて愕然とした。そんな経験をされたことがある方も結構いるかもしれませんね。(古着なんて単純にグラム数で買取価格が決まるという店もあります)

これらは、IKEA効果があったからこそ生じた感情と言えるのです。

 

 

ケーキミックスの話

 

IKEA効果、つまり、手間をかけることで価値の高いものになるという、こういうエピソードもあります。

 

その昔、アメリカでケーキミックスが発売されたそうです(おそらくホットケーキミックスのことでしょうかね)。

今と違って、粉に水を混ぜて焼くだけ!今、出回っているものより簡単ですよね。

しかし、売れなかった。味も申し分ない。美味しいのに、なぜだか売れない。

そこで、ある人が思いつきます。

作るのが簡単すぎるからいけないんだ。これは、自分オリジナルのケーキではなく買ってきたのと同じ、作る楽しみがないのではないか?

そこで、そのケーキミックスから牛乳と玉子の成分を除いたそうです。

そうしたら、飛ぶように売れたそうです。逆転の発想!天才的なひらめきです。

 

f:id:PARM:20160825234628j:plain

▲「卵と牛乳を混ぜて焼くだけ!」なのにも意味があった!

 

つまり、当時ケーキを作っていたお母さんからしたら、「ママが作った感」が欲しかったわけです。それを食べる子どもも「ママが作った」ケーキが欲しかったわけです。

粉に水を入れて混ぜて焼くだけ。そんなのが料理と言えるでしょうか。手作り感を出すために、牛乳と玉子の成分を抜いた。それだけで「私が作った感」が味わえるわけです。ちょっと手間をかけるということが実は重要だということもあるというわけです。

これは、一手間かけるだけで夕食のおかずになる「うちのごはん」シリーズなどにも受け継がれているように思います。買ってきた惣菜よりもオリジナル感が一気に増します。

 

f:id:PARM:20160825234351j:plain

うちのごはん | キッコーマン ホームページ

▲一手間かければ、手作り料理に早変わり!

 

 

産業革命後の、効率とモチベーションの話

 

さらに、このような話もあります。

産業革命で分業での製造が当たり前となり広まっていきました。

 

ピンの製造工場の有名な話があります。

それまで職人が1本1本手作りしていたものを、10人の労働者で分業を行い1本のピンを作るというあれです。

それにより効率化がはかられ、一日で何千倍ものピンが作られるようになったとか。

国富論アダム・スミス)>

しかし、これは人の心を蝕むという、(程度の大小は置いといて)副作用があります。

一つの工程をただひたすらやり続ける。来る日も来る日もやり続ける。そう、IKEA効果が得られない仕事なのです。かつての職人には得られていた、「私が作ったピン」という感覚が薄いわけです。これが労働者のモチベーションに影響しないはずはありません。

産業革命によって得られた富は計り知れないと思いますので、モチベーションが下がることには目を瞑れるかもしれませんが。当時はどうだったのでしょう。何事もバランスが大事ですね。

 

そして、今の私たちの仕事はどうでしょうか。報酬とモチベーションのバランスは取れていますか?目的達成に向けたプロセスは充実していますでしょうか。

いずれにせよ、産業革命IKEA効果が関わっていた、という話でした。

 

f:id:PARM:20160826014202j:plain

産業革命イラスト 

http://matome.naver.jp/odai/2146402796279268201

 

 

IKEA効果は、私達の身近にもある!

 

そろそろ、この自由研究も終わりに近づいてきました。

このような経験はありませんでしょうか。

次にあるような、ブログやツイッターをやっているととらわれやすい感情。

 

ブログ→なぜこんないい記事を書いたのにブクマが少ないんだろう。訪問者が少ないんだろう。

ツイッターなどのSNSなぜ、あの人はあんなにリツイート(いいね)が多いのに、私には少ないんだろう。私のほうがいいこと書いてるのに。

などなど。

 

これは、自分の記事・発信は素晴らしいはずだ、自分が時間をかけて書き上げたブログ記事はみんなに共感してもらえるはずだ、という誰もが一度は感じる(?)、IKEA効果によるものです。

他人の記事よりも自分の記事のほうが愛着があるので当然です。正しい判断なんてどうしてできましょうか。

さらに、「信頼残高」というバイアスも通過してしまいますので余計に一筋縄にはいきません。

 

冒頭で、私自身のツイートを引用したのも、私の発信したツイートは共感を得られるし的を得ている、だから記事に載せても問題なかろう、というIKEA効果なわけです。べつに大したツイートじゃないことは今ではよく分かります。

 

さらには、

自分の子どもに、他の子どもとは違う特別感を抱くこともIKEA効果と言えます。

第三者から見たらそんなに大差無かったりもするわけですが。

 

f:id:PARM:20160826014642j:plain

親ばか.bi

 

 

最後に

 

IKEA効果という言葉自体はどうでもよく、そういう心理現象があるということを知っておけば、人生の「負」が少しでも軽くなるんじゃないかなと思うわけです。

自分だけ評価が低いんじゃないか、自分の意見は軽くあしらわれているんじゃないか、自分の業務改善の提案は相手にされていないんじゃないか等とネガティブに考えてしまうことがあっても、IKEA効果の事を思い出して、ま、そんなもんか!て思うようにすれば「負」の感情は少しでも和らぐのではないでしょうか。

IKEA効果というものを認識しておくだけで、受け入れ力が養われるというわけです。

 

以上、少しでも、より良い人生のお役に立てれば幸いです!

 

 

 

www.nhk.or.jp

IKEA効果の話は、第6回の放送で触れられています。

今回のこの記事は、かつて、見た・聞いた話を思い出し思い出し書いたので、放映された内容とは少し違っているかも知れませんが、ゆえに、アレンジも加える事ができ、「自分の・オリジナル感」が少しは出たと思います。これぞIKEA効果!愛着!

 

 

 

関連過去記事紹介

仕事を少しでも楽にするための記事を、

今回の記事に近い順に5つ集めました。

 

 

▼「信頼残高」の存在も受け入れよう! 

parm.hatenablog.com

 

  

▼「障害」「苦」を前向きに捉える! 

parm.hatenablog.com

 

 

▼自分の出来る、得意分野を活かそう!

parm.hatenablog.com

 

 

▼工夫次第で仕事は楽しくなるッ! 

parm.hatenablog.com

 

 

 

▼他人に与えられたモチベーションは長続きしない! 

parm.hatenablog.com

 

 

いつもいつも、最後までご覧いただき、本当にありがとうございます!