『ナビィの恋』ネタバレビュー

映画の紹介と言うよりは、感想・レビューですので、ネタバレが含むことと、この映画を観ていないと何を言っているのかよくわからないと思いますので、よしなに。(あくまで個人の感想なので偏りは否めないです)

 

 

数年前以来2度め、「ナビィの恋」を見た。

前回見たのは、いつだった覚えていない程度の数年前。

一度観た時、ひたすら陽気!そして、なんじゃこのぶっ飛んだ映画は!という感想で、それがずっと頭に残っていました。

  

ナビィの恋 [DVD]

ナビィの恋 [DVD]

 

 1999年公開。監督は中江裕司さん。

 主演は西田尚美さん。沖縄県粟国島が舞台。

 

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ブーゲンビリアの赤い花と、西田尚美さんの赤い衣装が目を引く。

 

ブーゲンビリア 

ブーゲンビリアという名前は1768年ブラジルで木を見つけたフランス人の探検家ブーガンヴィルに由来する。

花言葉は、

「情熱」「あなたは魅力に満ちている」「あなたしか見えない」

 

「ブラジル」が関係している点、「情熱」「あなたは魅力に満ちている」「あなたしか見えない」 という花言葉(映画を観終わって調べてみてニヤリ)、これが映画の肝になっている。

 

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あらすじ

 

奈々子(西田尚美)が粟国島に帰郷。その時一緒に船に乗り合わせていた一人の老紳士。誰だろうと訝る。

 

島には奈々子のおじいとおばあ(ナビィ・平良とみ)が住んでいる。そこで暮らす奈々子。 

 

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▲奈々子と、おばあ

 

その老紳士の正体は、60年越しのおばあの約束の人だった!そう、60年前、理不尽とも言える事情で、生花を引き裂くがごとく別れさせられ、若かりし頃のその老紳士は島を追放され、ブラジルで暮らしていくことになった。

おばあはその後、今のおじいと一緒になり長年連れ添う。おじいは牧場で牛を育て、おばあはお昼にお弁当を持っていくというのが日課。

 

おばあと老紳士の60年を経ての再開。はたして、ナビィ(おばあ)の恋はどうなる!?

というのがメインストーリー。

 

サイドストーリとして、奈々子の恋愛も三角関係で描かれます。しかしこちらは最後になるまで盛り上がりません。最後はこれでもかと盛り上がりますが。

 

それと、琉球民謡や多国籍民謡もミュージカルがごとく映画の中に差し込まれていきます。

そして、島の子どもたちのヘタウマ演技(いい味)やサイドストーリー、他にも島の魅力たっぷりです。

 

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▲おじいと、奈々子

 

 

ネタバレビュー

 

ブーゲンビリア花言葉そのまま、60年間ずっと「あなた」しか見えていなかったおばあ。

おばあの家に咲くブーゲンビリアはブラジルから送られてきたものを、おばあが丹精込めてあの人を想いながら栽培したものだったのだ。そして、それをずっと昔から知っていたおじい。

 

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▲60年ぶりの邂逅を果たした運命の二人

 

おじいは、おばあがこのままかつての約束の人(老紳士)と島から出て行ってしまうことを予感しています。それがおばあの幸せだということをわかっているのです。それでも、育てた牛を売って腰が痛いおばあのためにマッサージチェアを買って、言葉にはせずとも、できればこの家にとどまってほしいことを匂わせます。

しかし、その時はやって来ました。「今日は奈々子にお弁当を持ってこさせるように」と、おじい。おばあのために粋なはからい。そしてその隙におばあは運命の人と島を後にします。

 

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▲19歳の頃のおばあ

 

僕が前回見た時は、なんでじゃあ、なんでおばあ出て行くねん!ぶっ飛び過ぎやろ!って冒頭で触れたように、そう思っていましたが、数年経った少し大人が染み付いてきた今の僕にならわかります。これでよかったのだと。

 

僕なりの解釈として、この映画の言いたいことは、人生楽しんだ者勝ちということです。おばあは、おじいを選び、今まで通り島で平和に暮らしていく選択肢もありました。しかし、困難が待っていようと「アイシテルランド」に行くんだと、見知らぬ海(新しい人生)に漕ぎだしていきました。

おじいは、長年おばあと過ごせただけでベリーベリーハッピーと感謝していました。

そして、おばあがいなくなり残されたものは、悲しみや暗い気持ちではなく、むしろもっと華やかに盛大に陽気な楽しい島だったのです。もちろん、自分たちで楽しまないと損!とばかりに、島民で盛り立てます。

 

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▲奈々子が選んだのは…

 

 

おじいの魅力

 

・おじい、下ネタばっか(笑)・・・はよ子作りせえ、おっぱいの大きい小さい、孫のおしりに関心。など、笑えるのですが、おじいの下ネタを聞いていると、だんだんと男と女って素晴らしいなぁと気付かされます。

男も女ももっと理解し合い、触れ合って喜びを感じ合うのが本来の姿なんじゃないかって、ちょっと考えさせられました。反対に、子孫を残せずにすみませんと、ご先祖様にお詫びする老紳士が対比になっているような。これは、人口が少ない島だからこその考え方かもしれませんが。

 

・おじい、カッコイイ!・・・そんな下ネタばっかのおじいですがやる時はやります。三線を持たせたら水を得た魚のごとくです。実際、有名な三線引きさんです。

おじい役:登川誠仁 - Wikipedia 2013年に80歳で亡くなられたそうです。

(おばあ役の平良とみさんも、2015年87歳で亡くなられたそうです。)

 

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▲おじいの牧場でのシーン

 

 

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▲別れの浜

 

かめばかむほど味が出る映画だと思います。

表面だけで読み取ろうとすると薄い話に思えるかも知れませんが、自分の人生をどう楽しくするか、そういう思いで見るとこの映画にヒントはいっぱい転がっています。

 

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▲島の子ども目線でも楽しめる映画

 

 

 

www.youtube.com

 

 

 

画像引用元:ナビィの恋 - Google 検索

  

お題「何回も見た映画」

まだ2回目ですが…これから夏になったら毎年みよう。