負けたチームの監督が試合後に語るひと言
読書の秋ということで、図書館に行ってきました。
そこで見つけたのが、故人である金平敬之助さんの「ひと言の思いやり」という本。
借りて、数ページ読んだところです。
金平敬之助さんの本を読むのは2冊目で、「仏の上司」になれますか? 部下を活かし組織を変える究極の人材育成論という本を読みファンになりました。
『やる事をやらなければしかるのが上司ではない。やる事をみんながすすんでやるような環境をつくるのが上司。それを怠って鬼になっている上司は恥ずかしい上司』
という、僕のお気に入りの言葉も金平さんの本で紹介されていた言葉です。
さて、この「ひと言の思いやり」という本はどういった方向性の本かということが分かる文章がかかれているので紹介したいと思います。冒頭の"はしがき"に書かれている文章です。
「ひと言がいかに大切か」
イチロー選手の話です。
<仰木監督をすごい人、と感じたのは、こんなことがあったからです。オリックス時代です。ある試合で負けたんですね。うちが負けて、ボクは4打数1安打。2塁打一本。負けたんで、帰りのバスの中は暗い。
雰囲気は最悪。ボクも同じようにへこんでいたんです。
そこに監督が声をかけてくれたのです。
「何だ、お前は……、2塁打一本打ったんだから喜べよ。チームのことなんてオレがやるんだから……。お前は自分のことをきっちりやればいい。今日は2塁打一本、いいじゃないか」
これで「すげぇ、このオッさん」と思ったんです。
「この人は違う」ここから仰木監督に対する大きなリスペクトが始まったんです>
ご存知のように、イチロー選手は超一流のプレイヤー。個性も豊か。しかもクールなタイプ。そのイチロー選手でも、バスの中の会話でこれだけ心を動かされています。なんの変哲もない、たった一言で……。
「チームことはオレがやるんだから……。お前は打った2塁打を喜べ」
これで、イチロー選手はよき上司を得た思いで、世界的な名選手に育っていくのです。
(それとは逆に、選手を沈ませるひと言を放った他の監督のエピソードも紹介されていますが割愛。)
言った方は忘れているかも知れませんが、言われた方はずっと覚えている。そんなこと、よくあると思います。
たったひと一言で、相手をやる気にさせたり、前向きな気分にさせたり、勇気づけたり、または、相手のやる気を失わせ、信頼を得られなくなってしまったり、これは、ひと言がいかに大切かを訴えかけてくれる内容の本です。
金平さんの本にはプロ野球や他のスポーツで起こった事例がよく出てきますので僕的にはすごく読みやすいです。あと、実名もバンバン出てきます。
負けたチームの監督が試合後に語るひと言。
ここから学ぶことが多い。
と金平さんは言う。まったくそのとおりだなあと思います。
そのひと言によって、明日も頑張ろうと思えるか、嫌になってしまうか分かれる事が多い。
まだ読み始めですが、正直、共感できない部分も多少はあります。
さらに読み進め、自分の糧となるものを少しでも多く取り入れたいと思います。