「スーパーチキン方式」という言葉、あまり耳慣れないと思います。
組織作りなんかで使われる言葉らしい。使ったことも聞いたこともなかったけれど。
日本語TED新着: マーガレット・ヘファーナン: 職場の順位制をやめよう
この動画を見て知りました。
生産性を高めるにはどうするかという実験
生産性を高めるためどうすればいいか、ニワトリを使った実験が行われました。
ニワトリに卵を産ませるにあたり、よく卵を産むニワトリは生産性が高いと言えましょう。それなら、よく卵を産むニワトリばかり集めて群れを作り、世代交代が繰り返されていくと、普通の群れのニワトリたちよりもはるかに生産性があがるのではないか、スーパーチキン軍団が出来上がるのではないか?という実験が行われました。
それは、どのような実験だったか。
まず、2つの群れを作ります。
1つ目は普通の群れ。
そして、2つ目は生産性が高いエリートニワトリだけを集め世代交代するごとにさらにエリートを選抜していって作った群れ。
それぞれを孤立させ、6世代後、どのように生産性が上がったか、下がったかを検証します。
結果発表!
先に結論を言うと、普通の群れの方が生産性が高くなっていたということです。
結果について、動画より引用します。
6世代後、結果はどうだったでしょうか?
1つ目の普通のグループは、とてもよくやっていました。全てのニワトリが丸々とし、羽も生え揃っていました。そして、産卵数も劇的に増加しました。
2つ目のグループはどうかというと、3羽を残して全滅でした。他のニワトリをつついて殺したからです(笑)。個々で多産なニワトリが成功した理由は、他のニワトリの生産性を抑圧したために他ならなかったのです。
当たり前ですが、人間とニワトリは違います。ライバルを殺したりはしません。
しかし、周りがライバルだらけという環境におかれると、そのライバルを蹴落としたり、いじめて失落させたり、貶めたりといった話は聞いたことがあるのではないでしょうか。出世競争という状態になりがちで、助け合うことを忘れてしまうことも起こり得ます。
職場で何かのプロジェクトが発足した時など、その題目に適したエリート集団が結成されます。特に疑問もなくそれが当たり前に行われてきました。
もちろん、そのやり方が間違っているとは限りませんし、実際に多くの成功を納めてきたことでしょう。しかし、それでも行き詰まった時の新たな着眼点として、スーパーチキン方式を止めてみるのも一つの方策かも知れません。はじめから結成条件の違う集団を複数作ってみるのもいいかもしれません。
スーパーチキン方式ではない新たな組織づくり、また、それにはどういう環境がベストか、15分の動画で色々と紹介されています。
モノを売る時代から、コトを売る時代に変わってきているという話を聞いたことがありますが、従来のやり方ではうまく行かなくなってきたケースが散見される時世。各々の現場で、正解は一つではないということを改めて気付かされました。
以上、おすすめ動画の紹介でした。
<鶏に関する繁殖研究>
リクルートワークス研究所「Works No.93 p.28」でも紹介されています