モチベーション3.0を大雑把に理解するための3つの例
モチベーション3.0を大雑把に理解するための3つの例。
まず、簡単にどういうものか説明すると、
「モチベーション」という言葉を、その動機別に、1.0とか2.0、3.0という数字を使って分かりやすく分類したものである。
〈モチベーション1・0〉…生存(サバイバル)を目的としていた人類最初のOS 。
〈モチベーション2・0〉…アメとムチ=信賞必罰に基づく与えられた動機づけによるOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥る。
そして、
〈モチベーション3・0〉…自分の内面から湧き出る「やる気!=ドライブ!」に基づくOS。活気ある社会や組織をつくるための新しい「やる気!」の基本形。
アメとムチのような外発的動機ではなく、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」の3つ、内発的動機付けで行動するのがモチベーション3.0である。
細かく説明しだすときりがないので、それはまたの機会にしたいと思います。
モチベーション3.0思考だから偉いとか、2.0思考は劣っていると言うつもりは毛頭ありません。
人それぞれだし、業種などによってもそれぞれ向き不向きがあるからだ。
また、2.0があるから3.0が引き立つこともあるし、逆に3.0だと上手くいかないことも2.0で改善できたりもする。
誤解されやすいのであらかじめ記しておくが、モチベーション3.0にももちろん報酬は必要だ。納得できるそれなりの報酬が既に用意されている状況が前提となる。
ともあれ、ここではモチベーション3.0とはどういうものか、その一部分を分かりやすい例で3つ挙げたい。
- 1.岸辺露伴の例
詳しくは→岸辺露伴 - Wikipedia
この
岸辺露伴が金やちやほやされるためにマンガを描いてると思っていたのかァ――――ッ!
ぼくは『読んでもらうため』にマンガを描いている!『読んでもらうため』。ただそれだけのためだ。単純なただひとつの理由だがそれ以外はどうでもいいのだ!」
この人は何のために漫画を書いているのか。
「お金のため」でも「ちやほやされるため」でもない。
読んでもらうために書いている。
これを仕事に当てはめると、
「上司に褒められること」や「認められること」、「報奨金が出ること」を求めてしまうと、それがかなわなかった時やる気を失ってしまう。
どんな仕事も、社会のためになっているはずである。そこに関連付けられたら上司の評価なんてどうでも良くなるはずではないだろうか。それがモチベーション3.0の一つの考え方(上司は褒めなくていいと言っているのではないですよ)。
上司や会社のためにやっているのではなくて社会貢献に役立っている。そして、自分のスキルアップに役だっている。そう思いたいものです。
- 2.イチローの例
やれと言われれば、やりたくなくなる
やるなと言われれば、やりたくなる
「仏の上司」になれますか? - 金平敬之助 - Google ブックス より。
いかにもイチローらしい発言である。
「やれ」と言われたからやる。ではなく、自分にとって必要であれば、「やるな」と言われてもやるのである。
ちょっと大げさですが、イチローが監督に褒められるために野球をやっていると思いますか?年俸を上げるために野球をやっていると思いますか?自分がやりたいから、ファンを喜ばせたいから。
まさに、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」がイチローを動かしているわけだ。
別に我々はイチローではない。高いスキルもない。イチローだから出来るんだろう。そう思うのもごもっとも。そんな考えも否定はしません。自分にあった働き方が一番です。
- 3.小説「ダイナー」の例
平山夢明著「ダイナー」という小説のラストで出てくるこんな一節。
人は自分に合った靴を履くべきだと思う。押しつけられた靴ではなく、自分で探して納得した靴を。そうすれば驚くほど遠くまで歩くことができる。
(小説のネタバレになるようなものではありません)
最後の「そうすれば驚くほど遠くまで歩くことができる。」が効いている。
押し付けられた靴、すなわち、命令や強制ではない。報酬につられたわけでもない。
いつだって、職場は命令や強制に溢れている。
仕事には二通りある。言われたからやる仕事と、自ら考えて行う仕事。
自分で考えながら仕事をしている時の充実感は味わったことがある方も多いのではないだろうか。そして、結果は命令されてやった仕事のそれと比べてどうだっただろうか。「遠くまで歩けた」のではないだろうか。
つまり、ここでも「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」の3つが動機となっている。
- 最後に
おおまかに、モチベーション3.0とはどういうものかお分かり頂けただろうか。
ほんの一部分なので矛盾点も感じられた方があるかもしれない。記事末に動画も付けておくので反論、疑問、興味が湧いた方は参考にしてもらいたい。
つまるところ、自分たちが楽しく働けたらそれに越したことはないわけで、愚痴ばっかり言いながら働くよりはよっぽど前向き(僕なんて働きながら愚痴ばっか言ってます…そんな小者です)。
アメ目当てで、アメとムチで管理されるのもよし。3.0の考え方を取り入れるのもよし。
なんしか、ポジティブに働けたらいいなと思います。
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参考文献
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 文庫
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