勝てば正義とされる。ならば、どういうチームに勝ってほしいかという話
プロ野球DeNAベイスターズの筒香選手が日本球界についてこんなすばらしい発言、問題提起をしている。
DeNA筒香「球界の変わらない体質」にモノ申す子供の「野球離れ」は大人が作り出した必然だ
3つの問題点
少年野球、高校野球なども含めた日本球界には3つの問題点があると意見を述べています。
詳しくは、おもしろいので冒頭に貼った記事を読んでいただきたいのですが、簡単に要点を記しておきたいと思います。
問題点①
勝利至上主義
問題点②
今の子供たちは、大人、指導者の顔色を見てプレーをしている、怒られないようにプレーをしている
問題点③
答えを指導者や親が与えすぎるので、子供たちが指示待ちの行動しかできない
他にも、トーナメント戦の弊害についても語られていて興味深い。
ゴルファーのボビー・ジョーンズもこう言っている。
ゴルフには、トーナメントゴルフとゴルフがある
「トーナメントゴルフではただの1打も気をゆるめてはいけない。 ただの一度もだよ。 たった1打の差で勝ったり負けたりするのだから、 ほんとに全ショット、全神経を費やし集中してプレーするのだから、 そんなゴルフって楽しいかな? 仲間と語らったり、いいショット、悪いプレーに 一喜一憂しながらラウンドするのが、本来的なゴルフじゃないか……」
そしてファンになる
僕は、すっかり筒香選手のファンになりました。
そして、DeNAベイスターズのラミレス監督についてのこういった記事もある。
監督として何も言わずに静かにすることが、選手にとってはモチベーションになる。
現役時代、声を荒げる監督に対し嫌悪感を抱いていたというラミレスは、そういうやり方では選手たちの信頼が得られないと考えている。いい仕事には喜び、失敗したときには寡黙なラミレス監督の心遣いが選手たちのやる気を引き出したのだ。
http://number.bunshun.jp/articles/-/829436
こんな監督と4番バッターが在籍するDeNAベイスターズ、応援するしかないでしょッ!
DeNAベイスターズが優勝して、このような選手本位の指導法、育成法が「正解」とされ、メディアでも取り上げられ広まれば、日本社会はもっと生きやすくなるのではないでしょうか。
そして、同じ理由で箱根駅伝では、青山学院大学を応援していました。青学の原監督のやり方が「正解」とされる社会のほうが絶対生きやすいに決まっている。
原監督、理不尽な上下制度や奴隷的指導ぶち壊した
反対に、鬼の監督のチームが優勝し、その監督のやり方が「正解」であるような空気感が広まるのは僕はイヤです。あの鉄拳制裁は監督の愛のムチだった!なんて、暴力が美談にすり替えられているような報道を目にするのは絶対イヤです。
一般企業に話を移すと
ブラック企業、ホワイト企業という言葉がありますが、ホワイト企業を応援した方がいいのは頭では分かっていると思います。
安いから、夜中でも開いてるから、正月でも営業しているから、便利だからといって、ブラック企業の店舗やサービスを利用する人が増えるとそのブラック企業はますます発展する。そうなると、正月に店舗を閉めているようなホワイト企業は衰退してしまう。そして、そのブラック企業が業界のリーディングカンパニーになってしまうと、そのやり方が「正解」となってしまう……そのブラック企業の経営者が「こうしたから成功した」という本を出して、これ幸いと他の企業の経営者たちがマネをしようとする。どんどん生きにくい働きにくい社会になっていく。それでいいのか?
なにも、そんな企業の商品の不買運動をしようと言っているわけではない。僕だって、安くて便利なスーパーしか行かない。安い=ブラック企業というわけでもない。
安くて、便利で、従業員も満足気に楽しそうに働いている。そんな企業を応援したいし、そんな店舗作りを追求していきたいというわけだ。