2017年にやりたいことと、初めての雅楽見学

今週のお題「2017年にやりたいこと」

 

   本州最南端の町串本町

   東京ゲーテ記念館公式サイト

  • 筏釣りがしたい

     筏釣り - Wikipedia

 

本州最南端の潮岬(しおのみさき)は行ったことはあるのですが、もう一度訪れたいですし、ついでに「太地町立くじらの博物館」と「熊野本宮大社」にも寄ってみたい。

東京ゲーテ記念館は、高校生の頃に(四半世紀ほど前)、阿刀田高著「夜の旅人」を読んだ時からずっと行きたいと思っている場所。

筏(いかだ)釣りは、和歌山あたりで、海と山の景色を眺めながら釣り仲間とひねもすのたりのたりと過ごしたい。

沖縄は、10数年前に伊計島というところに出発する予定が台風で中止になった経緯があり、結局一度も沖縄に行ったことがない。今年行ける機会が訪れるかも…!

 

こうしてみてみると、やりたいことは旅行がメインであることが分かります。書き出してみてわかることもある。おもしろいものです。

 

いずれにしても、休みがないとなあ。

2017年の目標は、まずは有給休暇を積極的に取る、ということを掲げないとな。

 

 

 

 

初詣に行ったら雅楽見学ができた

 

もうひとつ、正月らしい話題を。

 

1月3日は正月休みでした。実家からの帰り道、そういえば初詣に行ってなかったなと思い、国道26号線沿いにある、泉佐野八幡神社に寄りました。

 

偶然知ったんですが、当日に雅楽のイベントがあるみたい。

あと10分で始まるらしい。

 

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境内に張り紙がありました。

雅楽?何をするのかも分かっておらず、さして興味もなかったんですが、もうすぐ開演だし、せっかくなので見てみようということで、本殿に上がり込みます。

前から三列目に座り拝見しました。年配の観覧者がほとんどでした。

 

雅楽というだけあって、雅(みやび)やかな音楽。

 

そこで、笙(しょう)という楽器を知りました。

この笙という楽器、管楽器なのですがこれがすごい。オルガンのようなハーモニカのようなバイオリンのような(?)多彩過ぎる音色に魅了されました。

約1時間の演奏会。雅楽に合わせての舞もありました。

 

www.youtube.com

これが笙です。

不思議な音色。

 

鴨長明方丈記「ゆく川の流れ」という曲が気に入りました。

他にもメロディアスな心地いい曲もあったんですが、曲名は忘れました。

なんば雅楽会さんのCDも販売されていたんですが、買っておけばよかったな…

 

まあそんなわけで、はからずも正月らしい体験をさせていただきました。

(たまたま寄った神社で、たまたま雅楽の演奏会を見学できるなんて、新年早々ちょっと神ってる?)

ありがとうございました。

 

 

 

雅楽動画

 

 

www.youtube.com

 

 

笙 煤竹本節 (本管 総銀金具)

笙 煤竹本節 (本管 総銀金具)

 

 

 

もてラジの お年玉かな 春の夢

みなさん、あけましておめでとうございます。

 

お正月と云えば炬燵を囲んでお雑煮を食べながら歌留多をしていたものです。

 

とかなんとか。

何はともあれお正月。春よ来い。

 

 

年末年始、いかがお過ごしでしょうか。

 

僕はといえば、お仕事三昧の年末年始となってしまいました。

年中無休の会社に勤めておりますゆえ。

 

30日から2日までガッツリ仕事。

大晦日は日付が変わった後も仕事、仕事納めと仕事始めを同時に迎える事となりました。

大晦日、年が明けたあと家に帰り4時間寝たらまた仕事に向かうわけ。

まあ、これが初めてってわけでもないし、慣れっこ。

任務は遂行する。部下は休ませる。名ばかり店長のつらいとこだな。

そんなわけで、大脳新皮質がかなりお疲れの様子。

 

愚痴を言いたいわけでも、仕事つれーわ自慢をしたいわけでもありません。なぜなら、もうとっくの昔に正月気分なんて忘れてしまっているからだ。

でもでも、ほんとはちょっと寂しいわけで。

 

だが、今年の年末年始はちょっと違う。寂しくないもん。なぜなら、

 

もてラジが大晦日に大量更新されたのだッ!

 

moteradi.com

もてもてラジ袋とは | ネットラジオ BS@もてもてラジ袋

 

12月26日にも大量更新があったばかりで、この年末年始は、通勤での往復2時間半、車を運転する間もてラジ三昧。

 

年末商戦のラストを飾る年の瀬、いつもより不安の入り交じるこの時期に、もてラジを聞きながら出社できる喜び。予算は?昨年比は?欠品は?クレームは起きないだろうか?などなど得も言えぬ不安感も、もてラジを聞いている間は吹っ飛びます。

 

そして、年が明け、街はお正月ムード。家族連れで賑わう街。一家を乗せて行き交う車。俺には正月なんてない。もう慣れっこだろ?何も感じるなと自分に言い聞かせ向かう職場。

そんな職場への行き帰り、まだ聞いていないもてラジのストックがたんまりとあったとしたら?

通勤。そう、もてラジを聞きながらの通勤!仕事が休みだったら家族サービスに追われ自分の時間はない、ゆっくりと聞く間はないだろう。ああ、仕事でよかったなんて言ったら大げさかもしれないけど、これだけは言える。職場への行き帰り、配信されたばかりのもてラジが僕のこの年末年始を楽しいものに変えてくれた!行き帰りで生き返り!?

 

 

繰り返しになるが、もてラジ主催のぶたおさんが年末に放送を更新してくれた、そのことが僕の年末年始をより楽しいものに変えてくれた。配信されて嬉しかった。なんか頑張れそうって思わせてくれたのだ。(今回の配信のタイミングと僕の聞きたいと思うタイミングがたまたま合致しただけであることは理解しておりますし、もちろん配信を急かしているわけでは決してありません)

 

放送を聞いての感想も書きたいのですが、今回はこの辺で。

 

以上、勢いにまかせて書いていたら、もてラジ様のおかげで仕事三昧でも楽しい年末年始となりました。という話になってしまいましたが、

 

じつは、書こうと思っていたのはこれなんです。

コレ→今週のお題「2017年にやりたいこと」

それは、また時間があったら書くことにしよう。

 

それぞれのお正月。楽しいスタートが切れるといいですね!

2017年、みなさまに幸せなことが訪れますように。

 

ありがとうございました。

 

 

 

タイトルにある「春の夢」って、大した意味は無いですので。

ハンドルネームと新春と夢うつつなのを無理やりこじつけただけです。

 

 

 

 

与謝野晶子記念館に行ってきました

大阪は堺市、フェニックス通り沿いにある「与謝野晶子記念館」を訪れました。

 

www.sakai-rishonomori.com

与謝野晶子記念館 | さかい利晶の杜

 

 

まずは、与謝野晶子さんについて簡単におさらい。

 

与謝野晶子さんについて

 

与謝野晶子さん(1878-1942年)については学校で習った程度の知識しかありませんでした。

家にあった小学生用の社会科資料集によると、

 

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与謝野鉄幹、明星、みだれ髪。学校で習ったな

 

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日露戦争の戦場にいる弟を思い詠った「君死にたまふ(も)うことなかれ」

当時の日本でこれを詠んだ与謝野晶子さんの強い心に感服致します

戦後70年以上過ぎた今の日本にも、いや、今の日本にこそ必要な詩。忘れてはいけない詩

 

 

いざ、与謝野晶子記念館へ

 

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ロビーに「文豪ストレイドッグス」のパネルがありました。コラボ企画開催中みたいです。中央の和服の女性が与謝野晶子さん

 

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チケットを購入し中へ

与謝野晶子さんは堺出身で、京都、東京と活動場所を変えたそうです

 

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壁にプリントされた写真

 

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書斎を再現した展示物

 

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「晶子の装幀」コーナー

  

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「みだれ髪」。初版も展示されていましたが、初版の方は撮影禁止でした

 

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ご存知「明星」の創刊号復刻版。復刻版ではなく、初版本も展示されていましたが、そちらも撮影禁止でした

 

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「君死にたまふことなかれ」

壁には、与謝野晶子さんが残した言葉の数々

 

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「女性の力の及ぶところ はじめて平和の光あらん」

たしかに、男女別け隔てなく平等であってこそ、その先に平和が訪れるのだと思います

 

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12人の子どもを出産した与謝野晶子さん

4男のアウギュストという名前の由来は、フランス・パリの、ロダンの「考える人」のオーギュスト・ロダンからとったそうです。パリ旅行中に妊娠がわかったからということらしい

  

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館内の壁にプリントされた写真

 

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文豪ストレイドッグスとのコラボ、かなり力を入れているようで他にも幟(のぼり)が立っていました

 

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能力名「君死結勿」

 

何?と思って調べてみたら、

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https://matome.naver.jp/odai/2145832273182832601

怖いって。そんなキャラ設定だったのかッ!?

 

 

 

以上、ほんの一部でしたが、与謝野晶子記念館の紹介でした。

 

ほかにも、撮影禁止の貴重な展示物もいくつかあります。

興味を持たれた方は、訪れてみてはいかがでしょうか。

路面電車阪堺線宿院駅より徒歩一分です。

アクセスについて | さかい利晶の杜

利用料金 | さかい利晶の杜

 

与謝野晶子 - Wikipedia

与謝野鉄幹 - Wikipedia

明星 (文芸誌) - Wikipedia

 

 

広島電鉄のここがすごい!「広島電鉄、短時間勤務制導入へ」

さてみなさん、ラジオで朝のNHKのニュースを聞いていたら、あるニュースが耳に止まりました。

そのニュースを聞いて、えっ、凄い!という衝撃が2度おとずれました。

何が凄いと思ったのか、その2つについて述べたいと思います。

 

こちらのニュースです。

www3.nhk.or.jp

 

広島県路面電車やバスを運行する会社が、本人の希望に沿って安定して働ける環境を整えるため、すべての正社員を対象に、所定の勤務時間を柔軟に短縮できる制度を来年度にも導入することになりました。

 

現在は週40時間としている正社員の所定勤務を一定期間、柔軟に短縮できる制度で、例えば「1日3時間だけ働く」とか「午後3時以降に働く」という人でも正社員として働き続けることができます。

 

別に普通やん。

僕の勤め先だって育児や介護での離職を減らすため、正社員短時間勤務制度のようなものはあるし。

と思っていたら、そんなのまだまだ甘いって思わされました。

 

 

広島電鉄のここがすごい!<その一>

 

制度を利用する際に理由は問わないこととし、子育てや介護に限らず活用できるうえ、希望すればフルタイムの正社員に戻ることも可能です。

 

発表によると、理由は問わないということです。これって凄くないですか?僕には衝撃でした。

育児や介護をしていないといけない。病気のためフルタイムでの労働は出来ない。など、会社が精査し許可した場合に限り、正社員でも短時間勤務制度あるという会社はあると思います。それをさらに進化させ、理由は問わないという制度にしたところが、凄いと思えるポイントでした。

 

週の契約労働時間を削ればもちろん収入も減りますが、収入が減っても公休日が増える方がいいと考える人もいるでしょう。一日の労働時間が短いほうがいいと考える人もいるでしょう。自分がどう働きたいかを自分で決められるというところが素晴らしいと思います。

ようやくワークシェアリングが当たり前になる⁉︎

ワークシェアリング(わーくしぇありんぐ)とは - コトバンク

 

 

 

広島電鉄のここがすごい!<その二>

 

地方でも人手不足が深刻化する中、本人の希望に沿った形で安定して働くことができる環境づくりを進めることで、働く人を確保しようという動きは今後、企業の間で広がる可能性があります。

 

通常、会社側としては正社員を多く抱えると、一人あたりの人件費が高くなりますし、福利厚生など経費の出費が大きくなるため正社員の数は抑えようと考えます。人件費のパート比率をあげようと躍起になっている会社もよく見受けられます(その分、人時数が多く使えるため)。

 

しかし、それがわかっていても正社員の数が増えてしまう恐れがある短時間勤務制を導入するということはどういうことでしょうか。

どうやって差別化を図り人材の確保をしていくか、という深刻な問題へのブレイクスルー的発想。

そこに、凄いと思わされた最大のポイントがあるように感じたわけです。

 

働きやすい環境の会社ということは、優秀な人材が集まりやすい。

 

そんな当たり前だが、逆のことばかりしているとしか思えない会社が多くある中で、このことを実行してみせた、その行動力が凄いです(切羽詰まった状況だったからこそ、同業他社に先んじて手を打つことが出来たという一面もあったでしょう)。

 

さらに言うと、この制度がNHKのニュースに取り上げられたことで、広島電鉄の宣伝にもなっている。しかも、お金をかけずに!

(そして、広島とは特に縁のない僕が共感し、今、広島電鉄を紹介するブログ記事を書いている)

 

このニュースを見て、広島電鉄のことを知り広島電鉄に優秀な人材が集まった。なんてことになれば、他の会社も同じような社員本位の制度を作り、広がっていくかもしれない。

広島電鉄のこれからに注目!

 

 

 

 

以上

 

 

 

www.hiroden.co.jp

 

 

www.rirekisyodo.com

 

 

 

<関連過去記事>

 

parm.hatenablog.com

 

 

<関連おすすめ本>

 

社員本位の経営方針で一躍有名になった「未来工業」創業者の本

 

 

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素敵な?選択肢

さてみなさん、お立ち会い。

欲しい物を買うとき、他の商品や他の店と比べて、どこで買おうかと調べて買う。特に高い商品なんかはそうやって慎重に買ったりしますよね。また、松竹梅などのプランが用意されていた場合どれにしようか考えます。もちろん私もそうしています。

 

この店の商品はあの店よりも安い、この価格は通常価格より安い。だから買う。このプランはそのプランよりもこういう点で優れている。だからこれを選ぶ。

自分で選んで買っているわけです。

 

しかし、

 

自分で選んでいるつもりが、じつは選ばされているとしたら?

 

行動経済学を勉強していて、こんな例を見つけました。

今回はこちらの本からの紹介です。 

 

 

エコノミストの三択

 

いきなりですが補足しておくと、エコノミストという雑誌があります。簡単に言うと世界の政治や経済情報などが載っている雑誌です。ロンドンエコノミストと呼ばれています。

www.economist.com

 

エコノミストの年間購読の申し込み書を見ると、

選べるプランは3つ。

 

A. ウェブ版だけの購読・・・59ドル

B. 印刷版だけの購読・・・125ドル

C. 印刷版とウェブ版のセット購読・・・125ドル

 

あなたなら、どのプランを選びますか。

 

これを、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院生100人に選んでもらったという調査です。

 

よく見ると、BとCのプランが同じ値段です。ああ、きっと雑誌社の記載ミスですよね。

と雑誌社に問い合わせたところ、返ってきた返答は、合ってます。これで間違いありません。とのこと。Cのプランは、ウェブ版はデータを配信するだけだから、印刷版を注文したら無料で付いてくるってことなのか?経費もかからなそうだし…!?

 

Cのプランがお得ですかね。

または、電子書籍が当たり前になりつつある現代ではAのプランを選ぶ人も多いかもしれませんね。

Bのプランを選ぶ人はいますでしょうか。

 

結果は以下のとおり。

 

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A. ウェブ版だけの購読・・・16人

B. 印刷版だけの購読・・・0人

C. 印刷版とウェブ版のセット購読・・・84人

 

さすがに、BとCのプランは同じ値段なので、Bのプランを選ぶ人はいなかったようです。

数年前の調査(この本が日本で出版されたのは2010年)としては妥当な結果とも言えると思います。

 

さて、本題はここからです。

 

Bのプランを選んだのは0人。

だったら、選択肢としてBのプランは外してもいいはずですよね。

 

そこで、死に筋商品であるBのプランを省いて、選択肢をAとCのプランだけにして、もう一度同じように調査をし直しました。

 

A. ウェブ版だけの購読・・・59ドル

C. 印刷版とウェブ版のセット購読・・・125ドル

 

よけいなBのプランが省かれました。値段はそのままです。

どちらのプランにしますか?

 

急に選ぶのが難しく感じたのは私だけでしょうか。

うーん、Cはなんか高く感じるし、印刷版はあきらめて安いAのプランにしようかな……

(先ほどの結果にもありますように、最初からAのプラン一択の人も当然おられるでしょう)

 

マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院生100人が選んだ結果はどうだったでしょうか。

Bはもともと0人だったわけだし、結果は変わるわけない!…はずですよね?

 

しかし、

 

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結果は、

 

A. ウェブ版だけの購読・・・68人

C. 印刷版とウェブ版のセット購読・・・32人

 

最初の3つのプランの結果をもう一度見てみると、

 

A. ウェブ版だけの購読・・・16人

B. 印刷版だけの購読・・・0人

C. 印刷版とウェブ版のセット購読・・・84人

 

Aのプランは16人から、68人にまで増えてしまいました。

 

 

なにが起きたのでしょうか。

 

ここからは、私の考察(というほどたいそうなものではないけど)を交えた、本題の本題。

 

①雑誌社が誰も選ばないであろうBのプランをあえて組み込んだ理由

 

結果、どちらが雑誌社には儲けが多かったでしょう。

値段の高いCのプランが多くの人に選ばれた、最初の三つの選択肢での購読広告ですよね。

しかし、選択肢が二つになると、安いAのプランを選ぶ人が急増しました。多くの人がBのプランがなければAの安いプランを選んだ。

売り手としては、Bのプランをあえて組み込むことで、みごとCのプランを(もちろん全員にではないにしても)選んでもらうことに成功したわけです。買い手は選ばされたとは思っていないばかりか、Cのプランを選んでかしこい買い物をしたとさえ思っている!WIN-WINてやつですね。(くどいようだが、大半の人はAの安いプランでよかったのに)

 

そう、Bのプランは、Cのプランを選はせるための、捨てプランだったわけです。おとり商品とも言います。

商品やサービスを選ぶ際、売り手に誘導されずにかしこい買い物するためには、私たち消費者はこのような仕組みを知っておいても損はなさそうです。

そして、自分が売り手側に立った場合、こういうおとり商品を選択肢に組み込んでおくと買ってもらいたい商品を選んでもらいやすくなります。また、おとり商品が比較される商品やサービスとなるため、買い手が選びやすくなるという利点もあります。

 

 

 

②統計・データの悪用にご用心!?

 

この二つの調査、これが企業が自社商品の宣伝に使うためのアンケートだったらどうでしょう。

結果が180度違いましたよね。初めはCのプランが圧勝。2度目の調査だとAのプランが圧勝。

たとえば、あなたがAまたはCのプランの利害関係者だったとして、世間にアピールしたいとしたら、どちらの調査結果を用いますか?

 

選択肢を少しいじるだけで調査結果が180度変わることもある。世間には統計データを使った宣伝があふれています。そのような統計データは、調査方法や選択肢をいじることでいくらでも操作出来るとしたら怖くありませんか。

恐るべきことに、この二つの結果自体は捏造したわけではありません。事実です。

 

アンケートなどの統計データがいかに不確実なものか。人の行動・考動を変えてしまうようなアンケート結果、何かを買わせようとするための統計データを見た時は、眉に唾をつけるのを忘れないようにしたいものです。(私も統計データを用いる際は気をつけます)

 

以上、買い物にまつわる「素敵な?選択肢」のお話でした。

 

 

<以下は今回の記事に関してのオススメ動画・書籍紹介>

 

www.ted.com

ダン・アリエリー:我々は本当に自分で決めているのか?

 

 

 ダン・アリエリー教授のおもしろく学べる行動経済学

 

 

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

 

 いつか紹介したいと思っている本

 

 

 色々なタイプの詭弁を分類されて紹介されています

 

 

アイキャッチ用>

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羽生結弦選手のここがすごい!~北風と太陽

さてみなさん、フィギュアスケートですよ。

 

羽生結弦選手が、2016年グランプリファイナルのショートプログラムで見事首位を取りました。

 

www.nikkansports.com

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細かい技術は(まだ浅いファンなので)分かりませんが、長い手足を大きく使い、のびのびと楽しみながら滑走する様にGPファイナル3連覇の王者の貫禄を見ました。

 

 

羽生結弦選手のここがすごい!

 

最初の4回転ループで少し体勢を崩したとき、すこし照れ笑い。

最初に少し軽いミス、体勢を崩してしまった事で、緊張がほぐれたらしい。その後は、観客へのサービスも行う余裕が生まれていました。

 

「すごく緊張して、久しぶりに手足が震えるほどでした。最初の4回転ループは減点がつくすごく汚いジャンプでしたけど、降りることができました。(中略)

もし最初の4回転ループがきれいに決まっていたら、『ノーミスをしなければ』と思って余計緊張したと思いますけど、あのジャンプだったから、ある意味緊張がなくなりましたし、そこから速いビートであったり歌詞であったりを考えることができました。

GPファイナルSPで羽生結弦が言う「プログラムの成立に不可欠なもの」|フィギュア |集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

 

なるほど、前向き。

マイナスをプラスに変えるメンタルの強さも伺えるコメントです。

 

同記事によると、

その意味では「観客なしでは成立しないプログラム」(羽生)であり、観客との一体感や距離感に関しては、ほぼ納得の演技ができたNHK杯で殻を破れた手応えもあった。

だからこそ、今回のGPファイナル「より楽しみながらできた」と言えたのだろう。

 

より楽しみながら出来た。

演技後のインタビューでも、フリーの演技に向けて「楽しんでやりたい」ということもおっしゃっておりました。

 

「ミスをしないように」とか、「ベストを尽くしたい」とか、そういう気持ちもあるだろうけど、「楽しんでやりたい」と言える羽生選手がやっぱりすごいなと、印象に残りました。

 

ますます、フリーの演技も楽しみになってきますね。

 

 

感想はこれぐらいにして、

ここから話は、少し主張めいた方向へ。

 

 

北風と太陽

 

「楽しんでやる」ということについては、フィギュアスケートに限らず様々な業界でも結果を残すには重要な事で、それは職場でも同じ。

僕がかつて読んだ本から、例は少し古いですが、こんなエピソードを紹介したいと思います。(見にくくてすみません)

 

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 「仏の上司」になれますか? - 金平敬之助 - Google ブックスプレビュー(宣伝ページ)より引用。

別にこれが星野監督の全てではないとは思いますが。結果、リーグ優勝も2度しましたし。

 

「鬼」と呼ばれる指導者は職場や世間にはまだまだたくさんいます。

「鬼」のもとで成功したり、「鬼」と呼ばれる指導者に感謝している人もいるでしょう。だから、悪いとは言いません。

 

しかし、 

やるべきことを、すすんで「楽しく」やらせる。

僕は、そのほうが大きな結果が出ると考えています。

目指すは、「北風」のように命令・強制型ではなく、楽しいから自らすすんで行動してしまう環境を作るのが上手な「太陽」のような上司。

 

スタッフたちに、仕事が楽しいと言ってもらえる環境作りに励みたい。羽生選手の演技、コメントを見て改めてそう思ったのです。

 

以上。

 

 

<関連過去記事>

 

parm.hatenablog.com

  

 

 

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https://ttrinity.jp/sp/product/1841408

 

 

12月5日は、国際ボランティア・デー

さてみなさん、今日12月5日は、

『国際ボランティア・デー』らしいです。

 

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12月5日 今日は何の日〜毎日が記念日〜

 

 

無償で奉仕活動をするのがボランティア。

《志願者の意》自主的に社会事業などに参加し、無償の奉仕活動をする人。

 ボランティア【volunteer】の意味 - goo国語辞書

 

 

以前読んだ本に、社会規範市場規範について書かれていて、それが、ボランティアとも関係している話だったので、そのことについてかるく紹介したいと思います。

 

 

まず、社会規範と市場規範とはどういうものか。

 

人は、助け合いの精神と金儲けを切り離します。
社会規範とは、助け合いの精神のことで、誰かが困っていたら無償で助けようとする精神です。
市場規範とは、まさにビジネスで、労力に見合うだけの対価としてお金を貰うという考えです。


会社に遅れそうな友人がいて、好意で会社まで車で送ったのに(社会規範)、友人から千円を渡されれば(市場規範)がっかりするのではないでしょうか。
「社会規範」と「市場規範」は、基本的に、同居できないのです。

ビジネスでは「市場規範」「社会規範」の選択は重要

 

人の役に立てて、その上お金ももらえるなんてラッキー!と思う人もいるかもしれませんね。そこは人それぞれ。

(じゃあ次はもっと遠くまで送ってあげたら今度はいくらくれるんだろう、なんて考えてしまうのも人間の感情ってやつです)

 

今回はボランティアについてのお話なので、市場規範よりも社会規範だと成功したという例を2つ紹介したいと思います。

 

 

0ドルのほうが、30ドルよりも魅力的!?

 

数年前、全米退職者協会は、複数の弁護士に声をかけ、一時間あたりに30ドル程度の低価格で、困窮している退職者の相談に乗ってくれないかと依頼した。弁護士たちは断った。


しかし、その後、全米退職者協会のプログラム担当者は素晴らしいアイデアを思いついた。

困窮している退職者の相談に無報酬で乗ってくれないかと依頼したのだ。すると圧倒的多数の弁護士が引き受けると答えた。

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)より

 

なんと、0ドル(無報酬)が、1時間あたり30ドルの報酬に勝ったというのだ。

弁護士にとって、一時間当たり30ドルなんて、はした金だったのでしょうか。

または、社会規範(ボランティア精神)が彼達をそうさせたのでしょうか。

報酬が低価格ではなく、もっと多ければビジネスとして相談を受けていたかもしれませんね。

 

ちなみに、この本の中では、こう解説されています。

実は、お金の話が出たとき、弁護士たちは市場規範を適用したため、市場での収入に比べてこの提示金額では足りないと考えた。

ところが、お金の話抜きで頼まれると、社会規範を適用し、進んで自分の時間を割く気になった。

30ドルもらってするボランティアと考えてもよかったはずなのに、なぜ30ドルでは承知しなかったのだろう。

考えのなかにいったん市場規範がはいりこむと、社会規範が消えてしまうからだ。

 

私のような人間は、「30ドルもらってするボランティア」の方に目がくらみそう……

 

 

稽古代

 

先ほどの、

(考えのなかにいったん市場規範がはいりこむと、社会規範が消えてしまうからだ。)の続き。

 

コロンビア大学の経済学教授ナフク・シヘルマンは身をもってこれを体験した。

日本で剣道を学んでいたとき、シヘルマンの先生は生徒たちから稽古代を集めなかった。

それでは申し訳ないと、ある日生徒たちは、先生の時間と労力に対して謝礼を支払いたいと申しでた。

先生は竹刀を置くと、自分の稽古代は高すぎてあなたたちでは払えないだろうと穏やかに答えたそうだ。

おなじく、予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)より

 

 

これまた、ボランティア精神(社会規範)が、ビジネス(市場規範)に勝ったわけですね。

それにしても、お金の話を持ちだされたとき、先生の心境はどんなものだったのか、がっかりされたのではないかなと想像してしまいます。

 

 

お金のことは考えず、ただ好きだからという理由でしていたこと、ただやりたいからやっていたことにお金が結びついてしまうと、せっかくの社会規範での行動が市場規範へと移り変わってしまう。 

ボランティアのつもりが、報酬をいただいてしまったばっかりに、次は何をくれるのか期待してしまう。

ちなみに、報酬と言っても、それが金銭かモノかでもモチベーションが変わってくるらしいです。

 

以上、簡単ですが、ボランティアと社会規範と市場規範について。

良い悪いは別にして、この考え方を知っておくと、なにかと役に立つのではないでしょうか。

 

 

 

 

 ▲他にも様々な例が掲載されいます。機会があればまた紹介したいと思います。

 

 

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12月5日は世界ボランティアデー – KINGSOFT アレコレ