ピラミッド型組織の悪い運用方法

ピラミッド型組織の悪い運用方法について。

たとえば、社長が、年間売上1兆円目指すぞ!と言い出したとして、その会社に同じ規模の支社が10あったとしたら、各支社に年間1000億円の予算を割り振ります。

 

自分が関西支社にいたとして、関西支社に1000億円の予算が降ってきたわけです。

支社には10の同じ規模の営業部があります。

だから、支社長は各営業部に年間100億円ずつ予算を割り振ります。

そして、各営業部には10の同じ規模の支店があるので、10名の営業部の部長は各支店に年間10億円ずつ割り振るわけですな。

ピラミッド型の組織ではよくある話。

 

さあ、各支店長は大変。責任重大です。なんせ支店といえばピラミッドの一番下。

支店で働くみんなと力を合わせて毎月の予算(月平均8300万円)を達成させていかなければなりません。ホント大変。

 

だ・け・ど、

とある支店長は、この予算の流れを見てピンときます。

支店には自分をのぞいて30名のスタッフがいる。それを10名ずつ3チームに分けて予算を振り分けたら?手当なんかないけど、出世欲の有りそうな3名をそれぞれのチームリーダーに据える。

 

つまり、支店の月の予算を3等分して、3つのチームに毎月約2766万円をノルマにする。

進捗を競争させ、進捗の悪いチームリーダーには、原因を考えさせ、じゃあどうする?考えろ!と詰める。

支店長の仕事は、競争させ、実績の悪いチームに喝を入れればよい。チームリーダーは責任を感じ、自分の給料からノルマ達成のため商品を買う。もちろん支店長はそうしろとは直接命じない。

 

さて、この支店長のやり方は良くないのだろうか。

その支店長は会社のやり方を真似ただけ。上司やその上司やそのまた上司がやっているやり方を真似ただけなのです。

 

そ・し・て、

その支店のチームリーダーが、じゃあ俺もそうする!ってことで、9名のチームメンバーを3つに分けて、同じようにチームリーダーを決め競わせる。そんなやり方は間違っていると言い切れるのでしょうか。

 

会社がやっていることと同じですよ?

それがこの会社の正しいやり方なんじゃないの??

 

って、思ってしまいます。

でも、どう考えても、まともな支店長ならそんなことできません。

けれど、支店長は、営業部の部長から詰められる日々。あと何日?あといくら?じゃあ、一日あたりいくら?どうやったら達成できるのか考えろ、それしか言われません。そこで会社のやり方を参考にして考えたのが、支店のスタッフを3つに分けて競わせる方法。それがこの会社のやり方だしね!しかも、そうやって支店のノルマを達成させ出世していった上司はいくらでもいるし…(って、書いててつらい…)

 

下請け、孫請け、ひ孫請けみたいな感じで結局一番しんどいのが現場。会社の本部からもそりゃあ押し付け販促策のようなものはあるけれど。

ちなみに、これは、メーカーとの癒着から発生する特定商品の販売コンクールや、労働組合の選挙のときの支援カードのノルマにも、全く同じ構造が当てはまります(これがまたつらい…)。

 

ピラミッド構造、上の方は下に割り振るだけ。割り振られたら、その下にさらに割り振ればよい。現場の支店長も会社のそんなやり方を見てたらそうしたくなるし、実際実行に移している支店長もいて、ホンマにこれでいいの?と思ってしまう。

 

 

純化した架空の話ですが、そこらに転がっている話。

 

せめて、予算の根拠について納得できる丁寧な説明があればなと思う。