「この世界の片隅に」の1シーンより
ようやく観ました。
CSから録画していた「この世界の片隅に」。
今後も何度か観る予定なのですが、とりあえず初めて観た感想を書いてみたいと思います。
といっても、1つのあるシーンについて書きます。
見当違いなことを書いているかもしれませんが、あくまでも個人的な感想です。
少しネタバレを含みますのでご注意を。
あと、まだ観られていない方にはよくわからないと思いますのであしからず。
「何で? そんなん覚悟のうえじゃないんかね? 最後のひとりまで戦うんじゃなかったんかね?」 「いまここへまだ五人も居るのに! まだ左手も両足も残っとるのに!」 「うちはこんなん納得出来ん!」
ほぼラストにあたる、日本が降伏し玉音放送を聞いたあとの、すずさんが怒っているシーンについてです。
このセリフを文字通り受け取れば、すずさんは、まだ戦うべき!と言っています。
この映画のレビュー記事をいくつか見てみると、「すずさんはまだ戦いたかったんだなあ、だって、ここにまだ五人も居るとか言ってたし」といった自分が犠牲になることも顧みずこんな事を言うずすずさん勇ましい!といった意見をいくつか見ました。
しかし、このすずさんの怒りのセリフはストレートに文字通り受け取っていいのでしょうか。
お上が勝手に始めた戦争に自分たち国民は巻き込まれた。
そして、この戦争で大切な人を失った、自分の右手(絵)も失った。町も破壊された。
このまま戦争を続けてもきっと日本は負ける(食料の配給もどんどん減り、飽きるほどの空襲警報。きっと戦果は芳しくないはず)。
そんな状況で、まだ戦争を続けるべきと思うでしょうか。これ以上、自分の大切なものを失うかもしれないことに抵抗はないのでしょうか。(そのように教育されている可能性もありますが)
僕が感じたこのセリフの言いたいことというのは、勝手に戦争を始めて自分たち国民を巻き込んで犠牲者を出させておいて、お上の連中が犠牲になりそうになったら降伏するなんて、ほんと勝手すぎる。ふざけるな。といったお上に対する不信感から来たものではないでしょうか。当時、玉音放送を聞いてそのように感じた方もおられたのではないでしょうか。私たちの覚悟はなんだったのか、と。
もちろんこれ以上の犠牲者は出てほしくないけれど、なんか腑に落ちないといった思いが込められていたような気がしました。
べつにこのシーンがこの映画の全てではないのですが、僕はそんなことを思った次第です。あと何度か観て色々感じたいと思います。
おしまい。