吉田義男監督のこんなエピソード
プロ野球関連のラジオ放送を聞いていると、出演されていたプロ野球解説者の方がいろんな監督のエピソードを紹介されていました。
そこで、感銘を受けた話がありましたのでご紹介。
まずは簡単に吉田義男さんについて。言わずと知れた1985年の阪神タイガースが日本一になった時に監督をされていた方です。
御多分にもれず、山あり谷ありの選手・監督時代を過ごされたわけですが、とある一面に焦点を当てた内容となります。
吉田義男監督のエピソード
さて、吉田義男さんはどんな監督だったか。
チャンスで併殺打(ダブルプレー)を打った選手に対する接し方がすごいらしい。
どうすごいかと言うと、大抵の場合、結果がすべての世界でもあるため監督が併殺打を打った選手に対して叱責したり、苦い顔をしたり、気性の荒い監督だとイスを蹴ったりして怒りをあらわにします。
しかし、吉田監督は、「おしかったな」「もうちょいやったのにな」と選手をかばうような発言をしていたそうです。(たまには怒ることもあったでしょうけど)
どういうことかというと、守る側からすればダブルプレーはいい打球でないとなかなかむずかしい。ボテボテのゴロだと一塁はセーフなんていうことはよくあります。
つまり、併殺打はするどい打球であることが多い。たまたま内野手の正面をついただけであって、野手の間を抜けるか、正面をついてしまうかは紙一重だという。阪神では伝説的な遊撃手であった吉田さんならではの解釈ともいえます。
もちろん、野手の正面に打たせるためのバッテリー間の配球の組み立てによる勝利という事もあるでしょう。しかし、それはこの話ではどうでもいいこと。本質はそこではない。
どちらが、選手がのびのびとプレーできるでしょうか。次の回の守りに気持ちを切り替えてプレーできるでしょうか。実際、ラジオでその解説者は、阪神の選手がのびのびとプレーをしていたとおっしゃっていました。
だれも、併殺打を打ちたくて打っているわけではありません。併殺打を打って一番反省しているのは選手自身です。そんな時、「おしかったな」なんて監督が言ってくれたらどれほど救われるでしょう。次こそはって思えるのではないでしょうか。
怒りをあらわにする監督のもとでは、次失敗したらどうしよう。ピッチャーなら、フォアボール出したらどうしよう、ヒット打たれたらどうしようとミスをしないようにとばかり考えてしまいます。監督の顔色をうかがいながらのプレーでは本来の力を発揮できません。
プロの世界でそんな甘い考えは許されないのかもしれませんが、選手のパフォーマンスを最大に引き出すことが監督の務めだとしたら、吉田監督のやり方もいいなあと思ったわけです。
子育てや、会社での人材育成にも参考になるそんなエピソードでした。