無情の街!?サンディスプリング市問題

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選挙が近づくとやはり、選挙について、政治について、経済について、誰もが住み良い社会について、様々な社会問題についての情報を目にする機会が増えたり、考えたりするもの。

 

世界の富のほとんどを所有するごく少数、1%の富裕層と相反する99%の一般国民たち。

今もなお、どんどん格差が拡がっているというのに、なぜいつまでたっても99%側が苦しいままなのか。将来に不安しかないのか。99%側にとってやさしい政党はどこだろうか、そんなことを考えていた時にこのような問題もあるよと教えてくれた人がいました。

格差なんか埋まらない、こんな酷い事例があるよと。それが、

 

アメリカ・ジョージア州のサンディ・スプリングス市問題

 

www.nhk.or.jp クローズアップ現代

 

matome.naver.jp

 

サンディスプリングス (ジョージア州) - Wikipedia

 

この問題を簡単に説明すると、

例えば、あなたの住んでる市区町村の上位1%(100人に一人、世帯で言うと約40世帯に1世帯)の富裕層が自分たちが納める多額の税金を貧乏人に使われるのが気に食わないという思いがどんどん膨らみ、ついに、富裕層たちだけでヒソヒソ相談し、こんなことを決めました。

富裕層だけの街を作ろう!集めた住民税は我々富裕層のために使おう!貧乏人を排除し、我々富裕層だけのユートピアを作ろう!

 

こんなことを聞いて、そんなバカな、と思う方もいるかもしれない。

 

しかし、これは実話なのである!

それが先ほど紹介した、アメリカ・ジョージア州のサンディ・スプリングス市である。さらに、他の地域にもそういう街ができているらしい。

そんな自分勝手とも言える富裕層を非難する意見として、先ほどの記事から一部抜粋すると、

 

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そうなのである。誰のお陰で富裕層になれたのか。この富裕層たちは、その天下の回りものである富を社会に還元しようという気がないのである。

少し話は飛躍するが、アメリカ人の5人に4人はキリスト教と言われている。キリスト教の「主」がそうしろと言っているのか?富は独り占めして構わないと。

キリスト教の慈愛の精神は?都合が悪くなるとクリスチャンではなくなるわけ?日本人が無宗教とか人のこと笑えないぞ!

 

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本当に深刻な問題が発生している

 さてここからが本題。

金持ちは金持ち同士で仲良く暮らせばいいではないか、という意見もあるかも知れないが、それがものすごい問題を生んでいるのである。原因は、富裕層が抜けたあとのその街の税収減である。

先ほどのクローズアップ現代の記事からいくつか抜粋してみます。

 

 ジョージア州フルトン郡。
サンディ・スプリングス市の設立などによって、年間40億円余り税収が減りました。

 

「臭いです。ごみが腐り始めています。

ごみ収集車がめったに来なくなったので。」 

 

家の近くにある、フルトン郡が運営する図書館。
子どもたちは放課後や週末、ここで読書や宿題をしてきました。
しかし今年の2月、突然開館時間が2時間以上短縮されました。

算数の勉強に使っているパソコンも、閉館時間が来れば強制的にシャットダウンされます。

 

中でも深刻なのが、貧困層の治療を中心に行う公立病院の予算削減です。
2,500万ドル、日本円でおよそ26億円が削減されることになりました。医師の数が減らされ、診察に支障が出るのではないかと不安が広がっています。

 

今まさにアメリカは、経済格差が完全に1%の持てる者とそれからそれ以外の持たざる者、完全に国を分断してしまっている

 

構造として1%が99%を切り捨てていく構造を、国の政策が後押しをしている

 

これらは、ほんの一部です。挙げだすとキリがありません。

 

恐るべきことに、資金不足で刑務所まで維持できなくなりついには開放されたそうです…ぜひ、先ほどのクローズアップ現代の記事を読んでみてください。ほんとに恐ろしい現実を知ることが出来ます。

 

そして、アメリカで実際にこのような政策が行われているということは、いずれ日本にもやってくると考えられます。日米社会20年遅延説というやつです。

日米社会20年遅延説とは、アメリカ合衆国で起こった政治経済社会のシステム、及び社会現象(流行、犯罪、社会構成世代別での民度の高低傾向・思想傾向)が、約20年かけて日本に普及する(もしくは再発・再現される)という考現学説である。

日米社会20年遅延説 - Wikipedia より

じわりじわりと気づかないうちに、これがニッポンでも常態化していくのでしょうか。

 

富の分配はどの程度するべきか

 

富裕層が得た富は再分配されるべきかどうか、という問題についてですが、マイケル・サンデル教授の白熱教室でも取り上げられていたので、ご覧になられた方もいるかもしれません。これは哲学の分野でもあり正解を出すことは容易ではありません。賛成反対どちらの意見も興味深いです。すごく勉強になります。よかったらこちらを読んでみてください。

d.hatena.ne.jp

 

最後に、

 

街から金持ちがいなくなり、税収が減り貧しい街になったとしたら、今まで金持ちがいてくれたことのありがたさが実感され、やはり、金持ち様には逆らってはいけない、という空気が出来上がってしまう恐れがあります。意図的なものも含めて。

しかし、本当にそうでしょうか。金持ちとそれ以外の人たちの関係は持ちつ持たれつではないでしょうか。貧しい者を排除することは個人個人の許される権利なのでしょうか。

富裕層の富は、中間層の消費や貧困層の労働によって成り立っている」これは事実であり真実だと思うのです。誰かの富を奪うことで、また、一極集中することで富裕層の富は形成されています。人には負けないぐらい壮絶な努力をして富裕層の地位を勝ち取った方もおられると思います。贅沢は存分にして頂いて結構。だが、慈愛の精神を持ってこそ本物の富裕層、尊敬される紳士・淑女なのではないでしょうか。勉強したくても出来ない子どもがいるなんて、そんな社会にはなんの価値もありません。

どうしようと富裕層の方たちの勝手です。とにかく、一個人の感想として、こういった現実があるということを伝えたかったのです。

 

 

 

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画像 http://www.recordchina.co.jp/a105924.html より